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 今日の社会は人や物が自由に国境を越えて移動し、さまざまな権利関係を形成しています。しかし驚くことにそれらの権利関係を規律する統一された国際ルールというのは存在しないのです。特に家族法の分野では民族性や宗教観が色濃く反映されるため、統一は不可能とも言われています。



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  認 知

 婚姻関係にない日本人男性と外国人女性との間に子ができた場合、出生前に認知すれば生まれてきた子は日本国籍を取得しますが、出生後の認知の場合それだけでは生まれてきた子は日本国籍を取得できず、父母の婚姻の後国籍取得届をすることで日本国籍を取得できます。

 そのため父母が婚姻しない場合(できない場合)は生後認知では日本国籍を取得できませんので、胎児のうちに認知する必要があります。なお日本国籍が取得できないとその子は外国人ということになりますので、入国管理局で在留資格取得申請をすることになります。(在留資格「日本人の配偶者等」)

 ※出生時に日本国籍が取得できなくても、簡易帰化申請で日本国籍を取得することは可能です。しかし胎児認知や国籍取得申請が「届出」をすれば一律日本国籍を取得できるのに対し、帰化申請は厳格な審査のもと法務大臣の裁量による「許可」を必要とします。そのため場合によっては不許可ということもありますし、手続も煩雑なものとなります。

 
 認知ができないケース

 外国人女性との間にできた子を日本人男性が認知しようとした時に、実は女性が本国に夫がいることが判明し、認知届が出せないということがあります。夫を本国に残して自身は日本に来ているわけですから多くの場合は婚姻関係はすでに破綻しているわけですが、それでも法律上婚姻関係を解消していなければ生まれてくる子は夫の嫡出推定を受けますので認知はできません。

 この場合法律上の夫との離婚をすることに加え、生まれてくる(すでに生まれている)子に対する夫の嫡出推定を排除するために「親子関係不存在確認訴訟」を提訴し、確定判決を得なくてはなりません。この裁判は夫の居住している国の裁判所に提訴することになります。

 ただし新生児が原告となり、日本人の父を被告として形式的に「強制認知」の訴訟を起こすのであれば、管轄は日本の裁判所になります。(日本人の父が日本に住んでいる場合)
 
 なお、女性が離婚をしている場合でも離婚後300日以内に生まれた子に関しては、日本の民法により(日本人の父が日本において認知する場合)前夫の嫡出推定を受けてしまいます。そのためこの場合も嫡出推定を排除するための裁判が必要です。

 ※上記で女性の前夫が日本人であった場合は、そのまま出生届出をすれば子は日本国籍を取得しますが、もちろん法律上は前夫の子として前夫の戸籍に入籍することになりますので、後に前夫によって「親子関係不存在確認訴訟」を起こされることになるでしょうし、その結果その子は日本国籍ではなくなります。後に争いを残さないためにも前夫が日本人である場合も必ず嫡出推定は排除したうえで認知をするべきと存じます。

 養子縁組
 
 日本人が外国人を養子にする場合の法律は、日本の法律によります。

 ただし養子の本国の法律によっては、子の保護要件として裁判所の許可等の条件が設定されている場合がありますが、そのような規定があればそれに従います。

 また、在留資格との関係では、6歳未満の養子には在留資格が与えられる可能性は高いですが、6歳以上の養子に在留資格が与えられるかはケースバイケースです。

 ただし外国人配偶者の連れ子の場合成年に達していなければ「定住者」の資格で呼び寄せることができます。(配偶者の連れ子の場合は、一方の日本人配偶者との養子縁組は必須の条件ではありません。)

 ※入国管理局は日本の民法により20歳未満を未成年として扱うとしておりますが、実際
 のところ18歳以上の連れ子の場合、在留の目的や必要性の程度によっては不許可に
 なるケースが散見されます。

 ※呼び寄せることができるのは「未成年で未婚の実子」に限られます。

 離 婚

 日本人と外国人が離婚する場合、その日本人が日本国内に住所を有する場合においては、離婚は常に日本の法律によります。
 
 諸外国には例えばフィリピンのように、カトリックの教義に基づきまったく離婚を認めない国などもありますが、そのような国の国民との離婚でも日本の法律により離婚は認められます。

 ただし日本で暮らす外国人同士の夫婦の離婚では、夫婦が同じ国の国民である場合はその本国法が優先します。

 そのため日本に暮らすフィリピン人同士の夫婦は、日本においても離婚は認められません。

 ※ 離婚の際に適用された国の法律によっては、離婚後も相手の扶養義務を負う場合
  があります。
 
 離婚に伴う財産関係

 日本で暮らす日本人と外国人の夫婦、または外国人同士の夫婦が離婚した場合、その財産関係は、離婚の際に適用される国の法律に従います。(財産分与、慰謝料など)

 ただし慰謝料について、離婚そのものを原因とする慰謝料請求は離婚の準拠法によりますが、暴力などの離婚に至るまでの個々の行為を原因とする慰謝料請求は、不法行為の準拠法によります。

 ※ 不法行為の準拠法は、その不法行為の原因たる事実が発生した地の法律となりま
  す。

 相続・遺言

   人が死亡すると、その本人の本国法により相続が開始します。ただし相続財産の内、不動産についてはその不動産の所在地の法律によります。

 即ち預金や株券などの財産は本国法の規定により相続されますが、自宅などの日本国内にある土地建物については日本の法律での相続となります。

 日本人の家族である外国人がお亡くなりになった場合の相続についても、ご本人の本国法を無視した遺産分割は後々本国の親族に覆されることも考えられます。

 相続人、法定相続分、遺留分、または各種請求権の消滅時効期間などの規定は国によってさまざまです。

 事前に私ども国際法務の専門家にご相談下さい。

 ※ 外国人も日本の法律に従って遺言を作成することができます。当事務所ではより安
  心できる公正証書遺言の作成をお勧めしております。



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